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運送業のサステナビリティを支える新技術とは?

2025年7月11日
運送会社M&A

はじめに

環境負荷の軽減と業務効率の両立を目指す運送業界。人手不足やCO₂排出削減という課題に直面する中、AIやロボティクス、自動化技術の導入が加速しています。今回は、最新の技術導入事例を通して、運送業のサステナビリティがどのように進化しているのかを紐解きます。

なぜ今、運送業にサステナビリティが求められるのか?

運送業は社会インフラの一翼を担う重要な産業でありながら、CO₂排出量の多さや人手不足といった持続可能性に関わる課題を抱えています。特に、2024年問題(物流業界の時間外労働規制強化)や脱炭素社会への対応は喫緊のテーマ。これらを乗り越える鍵として、最新技術の導入が注目されています。

AIによる配送ルート最適化 ― 燃料コストとCO₂排出を同時に削減

AIを活用したルート最適化システムは、交通状況、天候、積載量など多様な要素をリアルタイムで解析し、最も効率的な配送ルートを提案します。

事例:SBSホールディングスのAIルート設計

SBSホールディングスでは、AIを活用してトラックの配送ルートを自動で最適化するシステムを導入。これにより、走行距離を最大20%削減し、年間数百トン単位のCO₂削減に成功しています。

ロボティクスによる仕分け・積み下ろしの効率化

物流センターや倉庫内では、ロボットによる仕分け作業の自動化が進んでいます。人力では時間と労力を要する作業を、高精度・高速でこなすことで、省エネ化と労働環境の改善が実現します。

事例:ヤマト運輸の自動仕分けロボット

ヤマト運輸は、ロボティクス企業と連携し、荷物のサイズや行き先を自動で判別し、最適なレーンに流す仕分けロボットを導入。これにより夜間の人員配置を大幅に削減し、省電力化にも寄与しています。

自動運転トラックと無人配送ロボット ― 次世代の“エコ輸送”

自動運転技術は、運転手不足の解消と輸送効率の向上を同時に実現する革新的な技術です。特に中距離輸送や宅配において、省人化とCO₂削減の両面で効果が期待されています。

事例:ZMPの無人配送ロボット「DeliRo」

東京都内では、ZMPの無人配送ロボット「DeliRo」が実証実験を開始。自律走行で荷物を届けることで、短距離配送における車両使用を減らし、電動化によるゼロエミッション配送を可能にしています。

今後の展望:データとサステナビリティの融合へ

技術の導入は単なる効率化にとどまらず、サステナビリティ戦略の中核に位置づけられつつあります。AIやIoTから得られる膨大なデータを活用し、CO₂排出の可視化や最適なエネルギー配分といった「持続可能な運送モデル」の確立が期待されています。

まとめ

運送業におけるサステナビリティは、もはや“選択肢”ではなく“必須条件”です。AI・ロボティクス・自動化といった新技術の導入によって、環境負荷の低減とビジネスの継続性を両立する動きが加速しています。今後も、環境と共存する新しい物流のかたちが求められていくでしょう。

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