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運送業におけるSNS・Web集客の始め方

2025年7月4日
運送会社M&A

はじめに

― BtoBでも使えるコンテンツ戦略と広告運用 ―
 「うちはBtoBだから、Web集客なんて意味がない」――
そう思っていませんか? 実は今、運送業界でもWebやSNSを活用した“デジタル営業”で、荷主や法人取引先を開拓する事例が増えています。本記事では、WebとSNSを活用して荷主を増やす方法を、「はじめての方向け」にわかりやすく解説します。中小運送会社でも取り入れやすいコンテンツ戦略・広告運用の実践法をぜひ参考にしてください。


なぜ今、運送業でもWeb・SNS集客が必要なのか?

  • ・電話営業・FAX営業が届きにくくなっている
  • ・荷主も「検索」や「比較」を行う時代に
  • ・自社の強みや実績をオンライン上で“見える化”することが信頼獲得につながる

  BtoBでも、検索・SNS・Web広告は確実に効果を発揮します。

SNS・Web集客の基本ステップ

1. 自社ホームページの整備

  • ・スマホ対応・SSL化(https)の確認
  • ・「会社概要」「サービス内容」「対応エリア」「車両一覧」「問い合わせフォーム」
     など信頼につながる情報を明記
  • ・過去の取引実績・荷主の声・対応事例があれば掲載すると効果大


2. SNS(主にX(旧Twitter)・Instagram)活用

SNS特徴運送業での活用例
X(旧Twitter)拡散力・業界との交流物流ノウハウ・安全運転投稿・荷主向け発信
Instagram写真重視・視覚訴求車両紹介・社員の働く様子・倉庫の設備紹介
YouTube(余力があれば)説明性の高さ会社紹介・採用動画・現場の雰囲気を伝える


3. Googleビジネスプロフィールの活用(無料)

  • ・「運送会社+地名」で検索された際に地図と共に表示される
  • ・会社情報・写真・口コミ・営業時間を登録し、信頼性をアップ

BtoBに効くコンテンツ戦略

荷主や法人担当者に刺さるのは「派手さ」よりも信頼感と具体性です。

有効なコンテンツ例(Webサイト・SNS共通)


✔ 自社の車両ラインナップと対応エリアの紹介

✔ 「〇〇物流の強み5選」などのまとめ系投稿

✔ 「繁忙期でも対応可能な理由」など問題解決型の訴求

✔ 荷主への納品対応事例を画像+文章で紹介

✔ 「物流担当者が困るポイントあるある」→ その解決策を提示

小予算で始められるWeb広告運用

BtoBでも広告運用は有効です。最初は少額(月1〜3万円)からスタート可能。

広告媒体特徴おすすめ用途
Google広告荷主の検索意図に直結「〇〇 運送会社」「〇〇 発送代行」などで表示
Meta広告(Instagram・Facebook)視覚的訴求に強い倉庫・ドライバーの仕事風景でブランド訴求
LINE広告エリア指定可能・クリック単価が安い地域密着型の中小運送会社に向いている

※配信エリアを「県内」「業種」「時間帯」などで細かく設定できるのが特徴です。

成果につなげる運用のポイント

  • ・問い合わせフォームや電話番号を目立つ位置に設置
  • ・すぐに営業を仕掛けず、まずは「資料請求」「相談予約」など
     ハードルの低いコンバージョン設計が効果的
  • ・SNSは「採用・社内の雰囲気アピール」にも二次効果がある

成功事例:茨城県の中小運送会社(車両数15台)

■ 導入前の状況と課題

  • ・月に1~2件の問い合わせがある程度で、紹介頼みの営業体制
  • ・ホームページは5年前のまま、スマホ未対応で情報も少ない
  • ・営業担当が少なく、新規荷主の開拓が進まない
  • ・「地域名+運送」で検索しても、自社が全くヒットしない状態


実施した施策と運用内容

項目施策ポイント
ホームページスマホ対応・問い合わせ導線強化「対応可能エリア」「対応荷物」「強み」を明記
コンテンツ発信週2回ブログ+X(旧Twitter)で現場紹介親しみと信頼を両立。荷主目線の投稿に注力
SNS活用倉庫内作業の様子やドライバーの日常を発信業務内容を“見せる営業”として活用
広告運用Google広告(リスティング)を月2万円から実施「◯◯地域 運送会社」で上位表示を狙う



成果(導入から6か月の変化)

指標導入前導入後(6か月後)
月間問い合わせ数約2件8~10件に増加
新規取引先数年間3件程度半年の間で5件の新規荷主と契約
1件あたりの受注単価平均12万円平均18万円へ上昇(価格競争が減少)
受注経路紹介中心Web経由50%、SNS経由30%、紹介20%に変化



成功のポイント

運ぶ力”ではなく“見せる力”を強化したことで選ばれる存在に

✔ 法人荷主が安心できる実績・対応力・柔軟性を可視化

✔ SNSでは「中の人の顔」「現場のリアル」が親近感を生み、問い合わせに直結

✔ 検索キーワードの選定と広告運用を小予算でも精度高く実施



担当者の声

「以前は“問い合わせが来るのを待つだけ”でしたが、今はWebやSNSを通じて“こちらから情報を届ける営業”ができています。新規の荷主から『Xの投稿を見て問い合わせました』と言われたときは、正直驚きました。」

まとめ

見つけてもらう力”が営業成果を左右する

 運送業は人対人の信頼ビジネスですが、その第一印象がWebやSNS上で決まる時代です。営業マンの数を増やさなくても、見つけてもらい、選ばれる仕組みを持つ事で、着実に新規荷主は増えていきます。まずは、自社の強みを可視化し、デジタル上で発信することから始めましょう。

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