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運送業の利益を上げる運賃設定とコスト管理

2025年5月12日
未分類

はじめに

運送業の利益確保には原価と運賃の見直しがカギです。運送業で安定した利益を上げるには、「正確な原価計算」と「適正な運賃設定」が不可欠です。

本記事では、変動費・固定費の把握から、運賃計算式、契約モデルの選び方、燃費改善やデジタル化によるコスト管理まで、利益率を高めるための実践的なポイントをわかりやすく解説します。

運送業の利益向上には「原価計算」と「適正運賃」が鍵!

運送業で安定的な収益を確保するには、正確な原価計算に基づいた適正な運賃設定が不可欠です。

ここでは、「原価の分類」「運賃の決め方」「収益モデルの選択」「コスト削減のポイント」など、利益率を高めるための実践的な手法を解説します。さらに、運送コストの中でも大きな割合を占める「燃費管理」にも注目し、実践できる改善策をご紹介します。

運送業の原価計算の基本

原価の分類:変動費と固定費

原価は以下の2つに分けて管理します。

変動費(走行距離に比例)固定費(運行に関係なく発生)
燃料費(軽油・ガソリン)
高速道路料金
メンテナンス費用(オイル・タイヤ交換など)
歩合給(距離や回数に応じて支払う)
荷役費(積み下ろし作業)
車両リース料・減価償却費
保険料(車両・貨物)
事務所・倉庫の賃貸料
ドライバーの固定給
管理部門の人件費・通信費など

原価計算の基本式

 ・1回の運行コスト=変動費 +(固定費 ÷ 月間運行回数)

 ・1kmあたりのコスト = 総コスト ÷ 総走行距離(km)

 ・1台あたりの月間コスト=変動費+固定費を合算して月間運行台数で割る

適正な運賃設定と収益モデルの選び方

運賃設定の基本式

適正運賃=(変動費+固定費 ÷ 稼働台数)÷ 走行距離 ×(1+利益率)
※利益率の目安は10〜20%

運送業の3大収益モデル

1.距離・重量ベースの単価契約
 - メリット:単価計算が明確
 - デメリット:閑散期に収益が不安定

2.時間契約型(チャーター・スポット便)
 - メリット:高単価・柔軟な運行が可能
 - デメリット:継続性が低く、営業が必要

3.固定契約型(専属・請負契約)
 - メリット:安定収益、経営が安定
 - デメリット:契約変更・コスト増への対応が難しい

収益を上げるコスト管理術

コスト削減の具体策

・エコドライブの徹底で燃料費削減

・空荷走行を避ける配車最適化

・車両メンテナンスで修理費の抑制

・効率的なシフトで人件費の圧縮

デジタルツールの活用

・配車マッチングサービス

・AI配車や燃費管理システム

・ルート最適化システムによる燃料費削減

燃費対策によるコスト削減

運転技術の改善

・急発進・急加速の抑制
・アイドリングストップの徹底
・定速走行・エンジンブレーキの活用

車両メンテナンス

・タイヤ空気圧・エンジンオイルの定期点検
・不要物の積載回避(軽量化)
・エアコンの適切使用で燃費改善

ルートと配車の最適化

・渋滞を避けるナビ活用
・共同配送や積載率の向上で効率アップ

デジタルによる燃費管理

・テレマティクスや燃費評価制度の導入
・ドライバー別の運転データを分析・改善

燃費性能の高い車両の導入

・ハイブリッド/EV/アイドリングストップ機能付き車両など
・低燃費タイヤの導入

利益最大化には「運賃設定」と「コスト管理」の両立が不可欠!

運送業で利益を上げるには、「正確な原価計算」と「適正な運賃設定」が大前提です。

そのうえで、収益モデルのバランス活用・燃費改善・デジタル化による業務効率化を進めることが収益性向上のカギとなります。また、今後の経営安定にはスポット便や固定契約のバランス、運賃交渉力の強化が重要です。利益率アップと持続可能な運送体制の実現に向け、今すぐできる改善から着手していきましょう。

まとめ

収益最大化のための実践ポイントを押さえよう。運送業の利益を伸ばすには、「原価を正確に把握する」「適正な運賃を設定する」「コストを継続的に削減する」の3点が重要です。特に燃費改善やデジタルツールの活用は即効性が高く、収益向上に直結します。今あるリソースを活かしながら、利益最大化に向けた取り組みを着実に進めましょう。