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運送業の許可申請にかかる費用とスケジュール

2025年5月12日
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はじめに

運送業の開業には国土交通省の許可申請が必要で、業態により異なる許可が求められます。無許可営業は罰則の対象となるため、適切な手続きを踏むことが重要です。

許可取得には営業所・車庫の確保、必要書類の準備、運輸支局への申請、審査が必要で、一定の費用と時間がかかります。行政書士を活用すれば手続きの負担が軽減可能となります。

本記事では、許可申請の流れ、必要な費用、行政書士の活用メリットについて解説します。

運送業の許可申請とは?

運送業の許可申請は事業の種類によって異なり、「一般貨物自動車運送事業」「特定貨物自動車運送事業」「軽貨物運送業」の3種類に分類されます。

一般貨物は不特定多数の荷主を対象とし、国土交通省の許可が必須で厳しい基準があります。特定貨物は特定の荷主に限定され、条件は緩やかですが許可が必要。軽貨物運送業は届出制で営業ナンバー(黒ナンバー)が求められます。
許可なしの営業は違法で、業務停止命令や1年以下の懲役・罰金など厳しい罰則が科される可能性があります。また、信用を失い事業継続が困難になるリスクもあります。
許可取得のメリットとして、社会的信用の向上、事業拡大の可能性、法令違反のリスク回避が挙げられます。特に一般貨物の許可は大手企業との取引や融資・助成金申請にも有利です。

適切な申請手続きを行い、スムーズな事業運営を目指しましょう。

許可申請にかかる費用の詳細

運送業の許可申請には、申請手数料、車両・営業所・車庫の確保費用、行政書士報酬、資格取得費用、車両維持費など、多くの費用が発生します。

許可申請の基本費用

申請手数料は一般貨物・特定貨物運送事業で12万円が必要。軽貨物運送業は届出制のため不要ですが、黒ナンバー取得が必要です。
車両費用は、一般貨物運送業では最低5台(1台300万〜500万円)を確保する必要があり、リースなら月5万〜10万円。軽貨物は1台50万円程度が目安になります。
営業所・車庫費用は、営業所の賃貸に100万〜200万円、車庫は地方で月5万〜10万円、都市部では10万円以上かかることもあります。車庫が要件を満たさないと申請が却下されるため注意が必要です。

行政書士を活用した場合の費用

許可申請を行政書士に依頼すると、相場は15万〜50万円。特に一般貨物運送業の申請は要件が厳しく、高額になることが多いです。自分で申請することも可能ですが、書類の不備で却下されるリスクがあるため、行政書士に依頼すれば手続きがスムーズに進みます。

その他の関連費用

運行管理者資格取得費用は、試験費用6,000円+講習1万〜3万円。適性診断(5,000円〜1万円)や安全講習(1万〜2万円)も必要。
車両維持費として、自動車重量税(年間1.6万〜4.1万円)、自賠責保険(3万〜5万円)、車検費用(大型車10万〜20万円)が発生する。

開業にはこれらの費用を事前に見積もり、スムーズな事業運営の準備を進めることが重要です。

許可申請にかかるスケジュールと流れ

運送業の許可申請には時間がかかるため、事前に流れを理解し、計画的に進めることが重要です。

許可取得までの流れ

1.事前準備(約1〜2ヶ月)

 営業所の確保:独立した事務所が必要で、賃貸の場合は運送業用途の契約確認が必要。

 車庫の確保:営業所から一定距離内に設置し、駐車スペースを確保する。

 車両の準備:一般貨物運送業では最低5台の営業ナンバー(緑ナンバー)が必要。

 必要書類の準備:登記事項証明書、事業計画書、損益計算書などを用意。

2.許可申請・審査(約3〜6ヶ月)

 申請書類の提出(窓口またはオンライン)

 書類審査・ヒアリング(不備があると差し戻し)

 審査完了・許可証の発行

3.許可取得後の手続き(約1〜2ヶ月)

 運行管理体制の整備:運行管理者の選任、安全講習の実施。

 開業届の提出:税務署や関係機関に申請し、営業開始準備を行う。

許可申請の遅れ・失敗の原因

車庫や営業所の要件不備:立地や契約内容が不適切だと申請が却下される。

書類の不備・申請ミス:不備があると審査が長引き、再提出が求められる。

資金計画の不十分さ:一般貨物運送業では500万円以上の資本金が必要。

行政書士を活用するメリットとデメリット

運送業の許可申請は書類が多く、手続きも複雑なため、行政書士に依頼するか自分で行うかを検討することが重要です。

行政書士に依頼するメリット

書類作成の負担軽減
許可申請には事業計画書や資金計画書など多くの書類が必要で、専門知識が求められます。行政書士に依頼すると、正確な書類を準備でき、申請ミスを防ぐことが可能です。

許可取得の確実性向上
申請に不備があると許可が下りないこともありますが、行政書士は審査のポイントを理解しており、適切な申請をサポートします。事前チェックにより、遅延を防ぐことも可能です。

最新の法改正に対応可能
許可要件は変更されることがあり、行政書士は最新情報を把握しているため、法改正に適応した申請ができます。

行政書士を活用すれば、時間と労力を削減し、スムーズな許可取得が期待できます。

行政書士に依頼するデメリット

費用がかかる
行政書士の報酬は15万〜50万円が相場で、自分で申請する場合の費用(申請手数料12万円程度)と比べると高額です。ただし、自分で申請すると書類作成や審査対応に時間がかかり、差し戻しが発生すれば事業開始が遅れるリスクがあります。

対応に差がある
行政書士の経験や実績により、対応の質が異なります。選ぶ際は、運送業の許可申請に詳しく、明確なサポート内容・適正な費用を提示する専門家を選ぶことが重要です。

行政書士の活用は、確実性と効率を優先するなら有効ですが、コストを抑えたい場合は慎重に検討する必要があります。

まとめ

運送業の許可申請には、一定の費用と時間がかかるため、事前にスケジュールと資金計画をしっかり立てることが重要です。特に、営業所や車庫の確保、必要書類の準備には時間がかかるため、計画的に進めることで申請の遅れを防ぐことができます。

また、許可申請は自分で行うことも可能ですが、書類作成や審査対応の負担を考えると、行政書士を活用することでスムーズに進められるメリットがあります。ただし、行政書士に依頼すると費用が発生するため、コストと手間のバランスを考えて選択することが大切です。

許可を取得した後も、運行管理者の選任や安全管理体制の整備が必要となります。スムーズな事業運営を実現するためには、許可取得がゴールではなく、運行管理体制の構築や継続的な安全対策が不可欠です。適切な準備と計画をもとに、事業を安定して運営できるよう努めましょう。